観劇日記「父帰る/屋上の狂人」

週末、くさなぎくん主演の舞台「父帰る/屋上の狂人」の2本立てを観に行ってきました。大人気のこの公演・・・なんとかチケットを手にする事が出来ました。
なんの知識もなく、この舞台を観に行った私は、なんてシンプルなお話なんだろうと、舞台を観終わった後、思いました。特に「父帰る」の方はシンプルすぎて物足りなさを感じてしまいました。だけど帰ってきて、この舞台の主催シスカンパニーのサイトの解説を読んでみたら、このお話は有名な作家の方の作品で、90年も前に作られたお話だったのですね。恥ずかしながら私は何も知りませんでした。
昔の人の考え方で言うと、父親は家族の中で絶対的な存在で、例え、ひどい仕打ちを受けたとしても、子どもが父親にあんなふうに反発するってことは考えられないことだったのかな。このお話の作者である菊池寛さんが「ワタオニ」とか今のドラマを見たら、どんなふうに感じるのだろう(笑)。とてもシンプルに、家族のありかた、つながり、愛情を描いているお話だったと思うけど、それでもやっぱり時間が足りなかったかなあと思います。もっとじっくり主人公やその家族たちの感情の動きを観たかったです。
そして「屋上の狂人」はくさなぎくんの演技が素晴らしかったです。屋根の上にのぼる主人公は、無邪気でかわいらしくて、ほんとうに幸福そうだった。観ている私も幸せな気持ちになれる魅力的な主人公を、くさなぎくんは演じていました。
生くさなぎくんは初めてだった私。いつもテレビで見ている人が、小さな劇場の中で目の前にいる、ということがなんだか不思議で、くさなぎくんて本当に存在するひとなんだーとしげしげと観察してまった(笑)。とても優しそうで、柔らかな空気をまとった人だなあと思いました。それから高橋克実さんが思いがけず、かっこよかった。