二度目のシアタートラム

とても幸運なことに、くさなぎくんの舞台をもう一度観に行くことが出来ました。この舞台を観たいと言っていたお友達が当日券が取れたと誘ってくれたのです。キャンセル待ちの券でしたが、無事劇場に入ることが出来ました。
父帰る」について。前回、初めて観た時は時間が足りなかったと書いてしまいましたが、今日はそんなふうに思いませんでした。今日はくさなぎくんの表情がよく見える位置での観劇。くさなぎくん演じる長男のフクザツな心の揺れを、その表情から感じ取ることが出来ました。突然帰ってきた父親を許したくない気持ちと、ほんとうは帰ってきてくれて嬉しい気持ち。今まで苦労して来た家族や自分のことを考えると、簡単に許すことは出来ない。でも、もしここで父親を追いかけなければ、もう二度と会えないかも知れない・・・そんなぐちゃぐちゃになった長男の気持ちが、表情や台詞から伝わってきて、このお話を楽しむことが出来ました。父親も突然帰ってきたとは言っても、あの家に足を踏み入れるまでには、そうとうの勇気がいったのでしょうね。そして覚悟を決めて、妻の名を呼んだのだと思いました。
「屋上の狂人」について。このお芝居のくさなぎくんは素晴らしいと思います。天真爛漫に屋根の上を駆けまわる主人公。主人公の指差す空には、ほんとうに神さまが見えているような、きれいな夕日があるような気がして、思わず振り返りたくなりました。弟役の勝地くんも好演ですね。くさなぎくん演じる主人公と二人で話している時は、仲のよい、幼い兄弟のように、かわいらしかったです。ラストシーン、くさなぎくんのよく通る声が、心地よく胸に響いて、じわ〜としました。くさなぎくんが二重に見えていた。

原りょうこさんと市村さん夫妻が観にいらしてました。こじんまりした劇場なので、芸能人の方は目立っちゃいます。そのとなりも業界の人っぽかったけど誰だかわからなかった。
同じ舞台でも、見る場所や自分の気持ちしだいで、感じ方が変わるのかなあと思います。今回観に行けて良かったです。お友達に感謝です。ありがとう。